工房入口の上には、「工房陶陶(YOYO)」の看板を掲げており、「ゆったりとして楽しむ」「調和して長く続く」という「陶陶」という言葉が持つ意味を大事にしたいと思っています。
「長く続く」為の私の方策の一つは、「やめる事が出来ない条件を設定する」というものです。それは具体的には以下の様なものです。
■その1 公立中学校校長の職を辞する時の挨拶状の中で「10年の精進を経て陶芸家となる。」と宣言したこと。
■その2 作陶経験ゼロの私には不釣り合いな大きな工房(21坪)を建て、大きな窯を設置したこと。
(妻には大変迷惑を掛けました。)
■その3 年賀状にその年の新作の写真を載せ、その事によって作陶生活の報告を義務づけたこと。
■その4 特別な事情がない限り、午前9時から午後6時までは工房に居る様に努めること。
さて、この様な内容では途中で投げ出すことは出来ないと思いませんか・・・。
結果として、私の作陶意欲は年と共に高まりつつあると感じています。
次に「楽しむ」為に私が大事にしている事は、以下の様なものです。
◆その1 一口に陶芸作品といっても、その対象や範囲は大変広い訳ですが、作陶の姿勢として「何でも作ろうとしない」ことです。言い換えるならば、「自分の興味・関心のあるものを中心に深めること」だと考えます。
◆その2 意欲が湧かない時は、無理に取り組むことはせず、自然に意欲が高まってくるのを待つようにしたい。
現在までの12年間の作陶生活を振り返ると、何度かのスランプがあったようにも思いますが、意欲は自然に高まってくるものであり、「どうしても作りたい」という思いに駆られて取り組んだ時には、やはり良い作品が生まれたように思います。
「楽しむ」ことの原点は、「ワクワクする思い」や「無心に没頭する」ことではないかとも思います。
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