◆◇  粘土を素材から見れば ◇◆



粘土
花崗岩、石英岩、長石質岩が風化により質を変えた生成物です。
母岩の種類や風化した程度にもよるがカオリン、アルミナ分の多い粘土ほど耐火度が高く反対にアルカリ分の多い粘土ほど粘りが少なく低温で焼き締まったり軟化したりします。
粘土の種類 粘土は残留粘土(一次粘土)、漂積粘土(二次粘土)に二分される。
残留粘土 一定の場所に何億年も残留し続けてあるもので、粒子が粗く可塑性には乏しいが不純物が少なく珪酸に富んでいます。
カオリンはこの残留粘土に入ります。
カオリン カオリナイトを主成分としたもので可塑性はないが耐火度の高い粘土です。
磁器で白く透きとおる様なものが上質とされています。
漂積粘土 流れなどによって押し流され途中で細かい粘土分だけがさらされて下流に堆積されたもので、いわゆる水簸(水で粘土をこしたもの)のような状態で粒子が細かく可塑性に冨んでいて、有機物質を多量に含む殆どが有色である。
蛙目、木節b器、壌土(ローム)ベントナイトなどの粘土があります。
蛙目粘土 花崗岩の風化物で長石分、雲母分は粘土に変化しているが石英粒子がそのまま残っていて蛙の目様に粒状に光っている為、蛙目粘土と呼ばれている。
主成分は、カオリナイトであるが、カオリンに比べて不純物が多く特に硅酸が多くなっている。
原土は水簸して粘土と硅砂を分離して使用することもあります。
比較的白く焼き上がり可塑性に富んでいる為に、焼きしまりが強く焼き物の原料として重要視されています。
硅砂 ガラスの原料として用いられている。
木節粘土 雨水などに流されて沈積してできた粘土。
亜炭層から産出されるもので亜炭、木節、木根などの有機物を多く含んでいる、灰色から黒褐色まであり脂肪感があるため指先でこすると光沢がでる。
粒子は細かく石英の混入が少ない為耐火度も高く粘土の原料中最も可塑性の大きな陶器原料として一番多く使われています。
色が濃くなるほど耐火度も高くなり焼き上がりの色も白くなるので、黒木節が上質とされている。(通常陶土とされている)
b器粘土 石英、長石、石灰、鉄化合物などが混入している雲母族の鉱物で鉄分が多くアルカリ、有機物質を多く含んだ粘土。
各地で多く産出されている一名赤土と呼ばれていて、可塑性に富み腰が強く比較的粒子の粗い粘土で、乾燥が早くて、鉄、石灰の含有量が多い為、焼き上がりは赤褐色が多く軟化点は他の粘土に比べて低い。
(通常テラコッタ粘土といわれている)