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スカット窯愛好者の作品と窯場の紹介

那須塩原市 佐々木 秀玲 様 2011年3月更新

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鳴海織部草花紋手鉢
高21cm 長径28cm 短径24cm
白土と赤土を繋ぎ合わせた織部(鳴海織部)でタタラを用いた型打ちによる作成。以前はこれより一回り小さい物を作っていたがお客様より、もっと大きなものを、との要望で、現在はこの大きさの物が中心である。
作者・窯場風景    ※画像にカーソルを当てて下さい。
作品    ※画像にカーソルを当てて下さい。



作陶についてのモットー等
工房入口の上には、「工房陶陶(YOYO)」の看板を掲げており、「ゆったりとして楽しむ」「調和して長く続く」という「陶陶」という言葉が持つ意味を大事にしたいと思っています。
 「長く続く」為の私の方策の一つは、「やめる事が出来ない条件を設定する」というものです。それは具体的には以下の様なものです。

■その1 公立中学校校長の職を辞する時の挨拶状の中で「10年の精進を経て陶芸家となる。」と宣言したこと。
■その2 作陶経験ゼロの私には不釣り合いな大きな工房(21坪)を建て、大きな窯を設置したこと。
       (妻には大変迷惑を掛けました。)
■その3 年賀状にその年の新作の写真を載せ、その事によって作陶生活の報告を義務づけたこと。
■その4 特別な事情がない限り、午前9時から午後6時までは工房に居る様に努めること。

さて、この様な内容では途中で投げ出すことは出来ないと思いませんか・・・。
 結果として、私の作陶意欲は年と共に高まりつつあると感じています。

 次に「楽しむ」為に私が大事にしている事は、以下の様なものです。

◆その1 一口に陶芸作品といっても、その対象や範囲は大変広い訳ですが、作陶の姿勢として「何でも作ろうとしない」ことです。言い換えるならば、「自分の興味・関心のあるものを中心に深めること」だと考えます。
◆その2 意欲が湧かない時は、無理に取り組むことはせず、自然に意欲が高まってくるのを待つようにしたい。

 現在までの12年間の作陶生活を振り返ると、何度かのスランプがあったようにも思いますが、意欲は自然に高まってくるものであり、「どうしても作りたい」という思いに駆られて取り組んだ時には、やはり良い作品が生まれたように思います。
 「楽しむ」ことの原点は、「ワクワクする思い」や「無心に没頭する」ことではないかとも思います。

【プロフィール】
お名前 佐々木 秀玲
住所 〒 325−0107 栃木県那須塩原市高林1656-76 那須高原グリーンランド 工房陶陶(YOYO)
電話番号/FAX (TEL)  0287−68−0209    (FAX) TELに同じ
メールアドレス  
HP  
ジャンル名や得意分野 織部の和食器類を中心に作陶しており、結果としてロクロ成形の作品より型打ち成形による作品が多い。
他に所有の窯・名称 新柳北信社製ガス窯 40FWPZC型
陶歴・経歴
 平成12年3月に、神奈川県の公立中学校長を退職し、同年10月那須高原にある別荘の別棟に工房を落成する。
 工房には「陶陶」(YOYO)(ゆったりとして楽しむ/調和して長く続く等の意味)と名付け、看板を掲げ、作陶経験ゼロの状態からのスタートを切る。
 平成12年10月のスタート時には、大型のガス窯一基であったが、近所に工房を持つ英国人陶芸家から「電気炉で素焼きをし、それをためておきガス窯で本焼きをする方が経済的だ。」と「スカット」の電気炉をすすめられ、平成14年3月には「スカット」を私の工房にも導入する。
 現在作陶生活は12年目を迎えており「スカット」電気炉とのつき合いも丸9年目になろうとしている。
 なお、導入した当初は、素焼き中心の焼成が主であった電気炉は、年々本焼きにも利用するようになり、現在ガス窯は、電気炉に入らない大きな作品を焼く利用の仕方が中心となっている。
窯の機種名オプション等
スカット KM−1018IIIS
◆棚板全型カーボランダム 6枚、半型カーボランダム 4枚
◆さや(匣鉢・愛知岐阜県地方では、「エンゴロ」と言う)丸型:高12cmφ33cm 6個、角形:高12cm 30×35 6個
教えても良い技法など
作陶の技法そのものではありませんが、「スカット」のような限られたスペースの窯(炉)では、あまり大きなものを焼くことが出来ません。 

それでも炉に入るギリギリの大きな作品も作ってみたくなります。その際に非常に大事になる事が、作品に使用する土の収縮率を知った上で作陶に掛かることです。

 私が使用している土の例で言えば、五斗蒔(白)は、生の状態から乾燥する段階で4%収縮しますが、これを素焼きしたり本焼きしても収縮することはありません。逆に備前の土では、生の状態から本焼きの完成までに14%も収縮します。この様に土によってその収縮率は千差万別です。

 使用する土の収縮率を調べるために、私は次のような方法をとっています。
使用する土で、厚さ0.5cm程度、幅約2.5cm、長さ14cmの平らな板を作り、土が軟らかい内に10cmの目盛りを針のような物を押し当ててつけます。次ぎに左右どちらかの端の2cmには、1mm毎の目盛りもつけます。この3枚の板の乾燥時、素焼後、本焼き後の目盛りを測定することで、収縮率(%)が判ります。これらの結果を記録として保存して活用します。


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